小学生と中学生の不登校児問題

不登校児問題は、学校内の問題ということで済ませられなくなっていて、社会問題化してきています。
不登校というのは、単に学校に行かないというだけで、サボっているから行かないというわけではないのです。不登校には、様々な理由や原因があるので、不登校児ひとりひとりに合ったケアや対策、対応が必要になってくるのです。また、不登校になる子供の年齢によっても、原因や対応は違ってきます。小学生の不登校の場合、いじめや友人関係のトラブルという理由が多くなっています。
また、担任の先生とのトラブルから不登校になったり、発達障害などの本人の障害が発見されないまま普通学級に所属していて、勉強やクラス適応がうまくいかなくなって不登校になることもあります。小学生の場合は、人間関係が未熟であったり、感情発達が未熟なため、まわりの大人が、本人の抱えている問題に対して、早期に気付いてあげることが大事になってきます。
一方、中学生の不登校問題は、小学生とは違う面もあるのです。
というのは、中学生になると、人間関係が複雑になり、思春期の微妙な時期にもなるため、簡単には解決できない側面があるのです。中学生の不登校には、いじめや人間関係のトラブルや、学習や成績に関する問題、または家庭問題や、非行行為などの問題行動が絡んでいることがあります。思春期で、多感で様々なことにつまずきやすい時期になるので、ちょっとした問題が大きな問題へと発展することがあり得るのです。また、いじめや友人関係のトラブルでは、深刻な結果や、重大な事態を招く可能性もあるので、慎重に対処しなければならず、まわりの大人が子供の小さなサインに気付いてあげることが大事になってくるでしょう。
特に、子供はまわりの大人には、なかなか相談しようとしないことが多いので、まわりの大人が気付いた時には、手遅れとも言える事態に陥っている可能性もあることを、肝に命じておかなければならないのです。学校に登校することは大事ですが、無理やり登校させることで、却って取り返しのつかない結果を招いてしまわないように、本人の意思で登校できるように環境調整を充分にしてあげなければいけません。

ですから、不登校の子供の問題は、担任一人ではなく、スクールカウンセラーや保健師、学校長や児童相談所や教育委員会など、まわりの人間のあらゆるサポートが必要となってきます。不登校は、子供の問題行動というよりは、ヘルプのサインであるので、単に登校することを目標とせずに、子供の抱えている問題解決を第一に考えるべきなのです。