突然学校に行けなくなってしまった人間関係以外の理由
多感な時期である学生時代、特に中学校や高校に通う子供たちはそれぞれ悩みを抱えています。その中には友達や部活の先輩・後輩との関係、成績が伸びないことへの不安、異性との恋愛など多岐に亘ります。その中でも、理想の自分や、なりたい自分を思い描くあまり、思い悩んでしまうことがあります。
子供たちが将来の夢を抱いたり、高い目標を掲げたりすること自体は悪いことではなく、その思いが子供たちのやる気に繋がれば、むしろ良いことです。しかし、実際は必ずしもそうとは限らず、それらに失敗してしまうことで自信を失ってしまうことがあります。例えば、それまであまり熱心に勉強をしてこなかった子が、イメチェンをして一生懸命勉強をしたとします。しかし、それが実を結ばなかった場合、努力をしても徒労に終わると思い込んでしまい、何事にも無気力になります。また、いっそのことイメチェンをする前の自分に戻ろうとしても、自分は努力を諦めた人間なのだという感覚がどうしても拭えなくなり、自己嫌悪に陥る場合があります。すると、戻るに戻れず、その上進むこともできないという板挟みに合い、身動きが取れなくなります。そして、最終的に学校に行かなくなってしまう可能性があります。
また、もともと頑張っている子にもこのようなケースは考えられます。例えば、陸上部に所属し、無我夢中で取り組んでいた子がいたとします。その子は大会などで結果を出すことによって達成感を得ていましたが、ちょっとした失敗で足を怪我するなどの理由によって、それまで培ってきたものが失われた時、その部活に対してそれ以前と同じように取り組むことはできなくなります。すると、それまで努力をして、その結果として達成感を得る、ということが当たり前になっていたその子にとって、達成感を得られない今の現状は、もはや生きがいを失った状態ということができます。これは、それまで常に一生懸命やってきた子であるからこそ受ける反動です。その後、努力の必要がなくとも達成感を得られるものに逃げることになります。現代ではゲームが一番その逃げ場として適切です。ゲームは努力をあまりしなくても、簡単に達成感を得ることができるようになっています。そのため、達成感を手っ取り早く得ようとした結果、ゲームなどにはまる危険性が高くなります。ゲームは息抜き程度にはよいものですが、はまり過ぎると学校さえも疎かにしてしまうことがあります。