中学生の不登校の事例と解決に向けて取り組んだ対策

まずは、事例について説明します。
最初の頃は、子どもが体の不調を訴えたり、学校に行けないと葛藤したり、朝起きられなくなったりします。この段階で親子の衝突が激しくなったり、親としては、学校に行けないことで強い不安でいっぱいになります。
学校に行けない子供に、とても厳しい対応をしたり、無理やり学校に行かせようとしても症状は悪化する一方です。親子でストレスや疲労がたまってしまいます。
この段階を経て、学校に行く気が全くなくなり、完全な不登校になってしまいます。この頃から昼夜逆転、ゲーム・ネット依存、生活習慣の乱れにつながります。親は学校への連絡と対応がプレッシャーとなり、夫婦の関係も悪化する場合もあります。
これが長引くと、子どもも何もすることがない日々に苦痛を感じ始め、親もフリースクールなどの支援・相談先を探し始めます。
そして子どももこのままではいけないと、フリースクールに通ったり、保健室などの別室登校を始めたりします。ただし、不登校が長期化してしまったという自己嫌悪や劣等感・罪悪感を抱えることになります。
最後に、学期の変わり目や新学年の節目をきっかけに、何らかの行動を起こす場合が多いです。
中学校の場合、スクールカウンセラーを配置して、中学進学時に不登校が増える「中1ギャップ」にも対応したりします。中学3年になると、進路の問題が現実味を帯びることへのプレッシャー、高校受験や、義務教育が終わり、100%守られなくなることへの漠然とした恐怖で不安定な時期になります。
また、不登校生徒は内申書や欠席日数を気にして、進路に対する不安が出てきます。家庭教師やカウンセリングなど、状況に応じた適切なサポートで、子供の回復を目指します。中学校は義務教育なので、みんなと同じように登校して授業に参加し集団生活を送るのが理想ですが、原因を探りすぎず、不登校を認めてあげて、子どもの心情を理解し、自己肯定感や自信を持たせることが大切になります。
2014年にはスクールソーシャルワーカーの配置もあり、教育に加えて、社会福祉の面からのサポートも目指します。
進路相談だと、中学生の場合は通信制高校やサポート校があげられます。また、通信教育で、授業の遅れを取り戻したりもあります。
また、2016年12月に成立した教育機会確保法では、フリースクール等の校外学習を支援したり、フリースクールの活用など柔軟な対応を求めています。